ジャンクちゃん(ThinkPAD X60s)液晶改造(SXGA+)化作業顛末
そもそもこんなことをするに至った経緯
2011年の1月に、インフルエンザ(だと思う。医者にはかかってないので)で1週間寝込んでた時のこと。夜中にトイレで目を覚ましてよろよろと起き上ったときに
「バキッ」
という不吉な音とともに何かを踏みぬいた音が。しかしその時に自分にできることはほとんどなく、せいぜいそれ以上踏まないように、寝ながらネットできるようにと布団の脇に置いていたThinkPADを机の上に移動させるくらいだったわけで。
なんとか回復して落ち着いてから、ThinkPADを起動すると…幸い、システムボードまで死んでるようではなく、きちんとXPは起動。よかったよかった…
しかし起動してしばらくして気がついた。液晶の右上が割れているという事態に。
起動直後の画面も、壁紙も全体的に黒にしているせいで、すぐに気がつかなかったわけですが、改造直前に適当な画像を表示してみたときの画像(上図)を見れば「こりゃひでぇ!」つい言ってしまうのがわかっていただけると思います。
もともとが¥19k(ウルトラベースつき)+バッテリー代というジャンクあがりのマシン(故に、ついた名前が“JunkPAD”ジャンクちゃんで、マシンテーマキャラが銀様なわけですが…)。正式な修理に出して購入費の3倍!な修理費を請求されるのはさすがにどかと思いますし、いわゆる修理業者に見積もりを依頼しても28kくらいかかります。
と悩んでいるところで、SXGA+液晶の組み込み改造という話をネットで発見し、修理依頼の見積もりを出してもらうのと並行してパネルを分けていただけるという方にいろいろ質問を飛ばした結果、SXGA+液晶化へと大きく舵を切ることに。
このとき、RizaSTARは覚悟した。「だめなら湘南通商の¥17kのX60を買おう」と。
その覚悟はどうなんだと今でも思いますが。駄目でなくても確保しろよと(笑)
というわけで改造
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相談した結果、X60sはX61系と違って、液晶ベゼルのサイドにネジ止めがされているため(X61はツメ止めになっている)、加工の手間の問題解決(ねじ削りの必要がある)も含めてベゼル込の交換を勧められました。上半身はX61の外装、下半身はX60ということになりますね。
幸いベゼルも分けていただけたので一安心。
液晶パネルのコネクタは形状も位置も違うので、変換ケーブルも付いてきます。
保守マニュアルはPDFを落としてiPadから参照できるように。抜かりはありません(キリッ
#自動ロック設定を解除してなかったので、見ようとしてロックがかかって真っ黒画面、ということが度々ありましたが
まずはばらして液晶の組み込み、その後バラック状態で起動して液晶がちゃんと点灯することをチェックします。
S●NYとかFJ2とかのマシンも度々バラしてるんですが、分解/組み立てについていえばLenovoになってもThinkPADが一番やりやすいことは変わりないですな。
ちなみにX60sはデフォルトでSXGA+に対応してるわけではないので、BIOSを事前に更新しないといけません。もちろんBIOSはIBMにもLenovoにもないので、どっかから入手しないといけないわけですが。
ここらはあたりはググってくださいとしか言えないですな。
ちょっと残念なのは、公式BIOSでやっていた起動ロゴの変更が反故になること。方法は多分あるんだと思いますが、余計なトラブルや手間を減らすため断念。
写真がちょっとアレですが、SXGA+解像度が出てることが確認できますな。
接続試験が終わったところで液晶の組み付けに。
そのままベゼルに入れて終了、ならいいんですが、専用品ではないのでパネルの左右の樹脂の出っ張りとかは切り落とさないといけません。金属枠はそのままでもなんとかなるらしいですが、微妙そうだったので(実際アウトな気がします)これも外す必要があります。外すとなると外装はちゃんと止めなければいけないので、固定手段も必要です。
固定手段にはカプトンテープをお勧めされたのですが、10m巻きが¥2kちょっとはさすがに高い(購入するなら千石が一番安かったような)。薄くて強くて非常によいのですが、複数台の改造をしなければ使い切らない量なのでさすがにもったいない。
そこで次点のテープとして、ThinkPADの基盤でも使われてる(のと同じであろう)アセテートテープを。厚みが数倍しますが値段は¥0.3kくらいと大変リーズナブル。写真にもありますが、秋葉原の高架下にあるオヤイデ電気商会で買い求めました。
液晶基板と樹脂を止めて、左右にあるネジを外します。
下側の冷陰極管に止めてあるテープの下(左右下端)にもあるのでこれもテープを外します。下側の金属枠は今回はずさなかったので、ここのネジは後で止めなおしました。
そして樹脂をパチパチと切っていきます。
外側をアセテートテープで止めます。液晶面側に許される幅がほとんどないのが辛い。実際、実用に差し支えない幅でほんの少し出てしまいました。
問題発生
しかしここで問題発生。X60のフレキとX61のベゼルだと、キーボードライトの位置が違います。困って相談した結果、フレキケーブルもX61用のものを分けていただくことに。
到着まで作業は中断。
せっかくなので怪我の功名とばかりに、BTドーターカードを購入。ついでにトラックポイントも新品に。
フレキケーブルを入れ替えて組み付け。無線LANアンテナはシリコン部品で止めてましたが、省エネとばかりにアセテートテープで留めました(笑)
しかしインバータのある右下で(多分、残した金属フレーム+アセテートテープの厚みのせいで)うまくはまりません。ヒンジの金属部品が干渉しているのに気がつかず強く押しこんだのが災いして、結局右側の数十ラインが死んでしまいました。幸い、右端に集中、かつ真っ黒というおかげで気にならない程度で済みましたが、もうちょっと落ち着くべきでした。
組み付け完了。下半身バラック状態で起動…したら起動しません。無線LANアンテナを外した過程でファン周辺のテープを外したときに、ファンにテープがかかってたらしく、ファンが回らなかった(=FAN ERROR)のが原因だとわかって一安心。
起動後は順調。ここで先ほど触れた右端部分が死んでることに気がついた(時刻表示の右端が切れる)のですが、まぁ実用には影響ない程度だし、大失敗しないだけよかったよかった、と思うことに。
あとは順調に組み付け、ネジ止めをして完了。この大きさで「ほぼ」SXGA+の解像度とあって、非常に便利なマシンになりました。満足満足。
ちなみにかかった費用の概算は注文外の部品(Bluetoothドーターカードなど)を含めて¥32kほどで済みました。元がX61ならベゼルとフレキ代はかからないので、¥30kは余裕で切ります。
余談
困ったことに、現状で割とワーワー騒いだキーボードライトが点灯しません。点灯のショートカットでは「点灯/消灯」のステータスは変わるので、ジャンクちゃん側は「点けてるつもり」のようですが。
フレキケーブル側の問題なのか、X60sにX61のフレキの問題なのか微妙です。微妙と言えばこのケーブル、送られてきたときに外装の袋にキーボードライトが基盤裏側の糊でついてきてちょっと微妙でしたな。
影響はないと思いますが。
BTドーターカードは当初デバイスマネージャにも出ないで、すわコネクタはずれかフレキ不良かと思ったのですが、ふと思いついてFn+F5のメニューをみたら「BT有効化」の操作ができて、有効にすることでめでたくデバイスが有効に。はいいんだが、X60系用のBTドライバが破損してるとかどうよ(笑)、System UPDATEアプリから更新をかけるか、米国サイトからワールドワイド版を拾うとよいらしいとの情報を得て事なきを得ましたが。
以上をもちましてX60sの液晶SXGA+化の改造レポートとさせていただきます。最後までご覧頂いてありがとうございました。